比較的治安も良く、ご飯も美味しく、親切な人も多いと言われる日本。
でも、日本は世界有数な災害大国でもあるのです。
「地震、雷、火事、おやじ(大嵐)」
若い方は知らないかもしれませんが、怖いものの代表として挙げられているこの4つ。
ここでは、地震の”異常震域”と、近年騒がれている”南海トラフ地震”についての関係性、地震が起こったらどうしたら良いか、についてまとめてみました。
ここでわかること
日本が地震大国な理由
地震の3つの種類
異常震域とはなにか?
南海トラフとの関係性は?
地震が起こったら
まとめ
日本が地震大国な理由
私たちが住み生活をする日本は、色々な問題はあるものの、生活衛生面は保たれ、基本的には衣食住が補償されている住みやすい国だと言えると思います。
ただ、日本は世界有数の災害大国、とりわけ地震大国として有名だということも事実です。
今回は”なぜ、日本は地震大国なのか”についてまとめてみました。
地震発生のメカニズム
地震情報を常に発信してくれている気象庁では、地震のメカニズムについて以下のように説明してくれています。
地震は地下で起きる岩盤の「ずれ」により発生する現象です。
岩盤に力がかかっており、それに耐えられなくなったときに地震が起こる(岩 盤がずれる)のです。
地震が沢山発生し ている場所が別々のプレートどうしが接しているところ(プレー ト境界)と考えられているところです。ただし、全ての地震がプレート境界で発生しているわけでは ありません。ハワイや中国内陸部で発生している地震のように プレート内部で発生する地震もあります。
引用元:気象庁
つまり、地球を支える板と板が重なっている所、その上部に位置する場所での地震発生率が高いと言われています。
4つのプレートの上に位置する日本
日本は島国。これは周知の事実ですよね。
でも、島の底には海が、その下には海底プレートがあります。
日本周辺では、海のプレートである太平洋プレート、フィリピン海プレートが、陸のプレート (北米プレートやユーラシアプレート)の方へ1年あたり数cm の速度で動いており、陸のプレー トの下に沈み込んでいます。このため、日本周辺では、複数のプレートによって複雑な力がかかっ ており、世界でも有数の地震多発地帯となっています。
引用元:気象庁
地図上では4つのプレートの境目の上に浮かぶ日本が日本が確認出来ます。
地震の3つの種類
地震と一口に言っても、起こるメカニズムには違いがあります。
プレート境界の地震
日本周辺では、海のプレートが沈み込むときに陸のプレートを地下へ引きずり込んでいきます。 陸のプレートが引きずりに耐えられなくなり、跳ね上げられるように起こるのがプレート境界の地 震です。
例:南海地震、東南海地震、2003年十勝沖地震、2011年東北地方太平洋沖地震
引用元:気象庁
下にある海のプレートに巻き込まれた陸のプレートが、耐えられなくなり元に戻ろうとしたときに起こる現象が地震のようです。多くの人の記憶に残る東日本大震災もプレート境界の地震でした。
プレート内の地震
プレートの内部に力が加わって発生する地震が、プレート内の地震です。プレート内の地震には、 沈み込むプレート内の地震と陸のプレートの浅いところで発生する地震(陸域の浅い地震)があります。
例 沈み込むプレートの地震:昭和三陸地震、1993年釧路沖地震、 1994年北海道東方沖地震
陸域の浅い地震:1995年兵庫県南部地震」、2004年新潟県中越地震、 2008年岩手・宮城内陸地震、2016年熊本地震」
引用元:気象庁
プレート内部地震の中でも陸域が浅い地震は、プレート境界地震に比べて規模が小さい地震が多いようですが、 人が多く生活する場所で発生するため、大きな被害を伴うことがあるとのことです。
地震の名前を聞けば、いずれの地震もそこで生活していた人に対して、甚大な被害をもたらしたことに疑いはないでしょう。
異常震域とは何か?
通常震源地に近い方がより強い揺れを感じる地震。しかし稀に、そうとも言えない事態が起こるのです。
ここでは、伊勢湾を震源とする地震で、東北や関東地方に揺れが生じた地震から”異常震域”について取り上げていきます。
9日午後5時半すぎ、伊勢湾の非常に深い場所を震源とする地震があり、東北や関東の広い範囲で震度2や1の揺れを観測しました。この地震による津波の心配はなく、気象庁は、震源が非常に深かったため震源から離れた広い範囲で揺れが観測される「異常震域」と呼ばれる現象だとしています。
気象庁によりますと、9日午後5時33分ごろ伊勢湾の深さ340キロを震源とするマグニチュード5.1の地震がありました。
この地震で東京・千代田区や福島県白河市、水戸市、宇都宮市などで震度2の揺れを観測したほか、東北や関東の広い範囲で震度1の揺れを観測しました。
引用元:NHKニュース
異常震域とは何か、ウィキではこのように説明されていました。
震源地より遠く離れた所で異常に震度が高くなる現象である。かつて地中に地震が伝わる特別な抜け道があると考えられ、地震みち(じしんみち)と呼ばれていた。1920年代には異常震域という用語が用いられるようになった。
異常震域が現れる原因
異常震域が現れる原因は、
- その周辺地域の地盤の状態が異なるため(軟弱な地盤と地震波の反射、回折など)
- 上部マントルの地震波速度構造の違いで、減衰度合いが経路上の構造によって異なるため(構造線やプレート境界、マントルをまたぐなど)
によるものの2つに分けられる。前者と比較して後者のほうが広い範囲で大きな震度が観測され、地震学の用語としては、異常震域は後者を指すことが多い。
引用元:ウィキペディア
後者の例として、太平洋プレート中で発生した2007年7月16日の京都沖日本海の深発地震では、京都や、プレート境界をまたいだ中京関西地方や中部地方での揺れは小さかった一方、距離的には遠い北海道で大きな揺れを観測した。
着達する地震振幅は距離に反比例して、また着達までの時間には指数関数的に小さくなる。地下のマグマ中を進む地震波の速度は非常に遅く、このため火山地下のマグマ溜まりをまたぐ震源では減衰して地震動が小さくなるということも起こりうる。
逆に、オホーツク海での深発地震や十勝沖から千島列島沖の太平洋プレート中で発生する地震では、北海道・東北地方の日本海側や新潟県より北海道・東北地方の太平洋側、関東地方で大きな揺れを観測する場合もある。東北地方の日本海側や新潟県での揺れが小さくなる理由は、東北地方の中央部に南北に連なる火山が影響しており、地下のマグマ溜まりにより地震波が減衰しているためと考えられている。
引用元:ウィキペディア
地盤状態やマグマ、マントルなどの地域状態によって揺れは異なるとのことですが、京都震源で北海道に地震が、北海道震源で東北・関東がなど、いつ・どこで・誰が地震にあってもおかしくない状態と言えるでしょう。
南海トラフ地震との関係性は?
地震といえば、いつか来る・もうすぐ来るなど、度々話題にのぼる南海トラフ地震。
”異常震域”なんて聞くと、何か関係があるのかと、尚気になりますよね。
今回に関して結論から言うと、
”南海トラフ巨大地震”とは別要員のため、関係性は低いとみられる。
”異常震域”自体は珍しいものではない。
異常震源は、たびたび起こることであり、地震活動そのものは異常ではありません。
一方、一般的な「南海トラフ巨大地震」はフィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込む境界付近で発生する地震で、想定される震源の深さは10kmから40km程度とされています。今回の地震の発生メカニズムは、南海トラフ巨大地震とは別要因と考えられます。 また、地震の規模からは、誘発地震の危険性などは小さいと考えられます。
引用元:YAHOO!ニュース
一瞬にして生活を、人生を変えてしまう地震。今回の地震が、巨大地震と関係がないと発表がありひとまず安心です。
とはいえ、地震大国で生活をしている以上、日頃の意識は必要です。
地震が起こったら
起こらないのが一番、ですが、自然現象には誰も逆らえません。
もしもの時、どうしたらいいか。何より命を守る行動をとりましょう。
以下では、NHK様及びTOKYO GAS様から、災害時の行動について挙げられているのを引用しています。
1.建物の中にいるとき
地震が起こったら、テーブルの下などに入って、揺れが止まるまで待ちましょう。上から物が落ちてきたり、本棚などの家具が倒れたりして危険だからです。ストーブやガスの火は、揺れが止まってから消してください。揺れているときに火を消そうとすると、やけどをすることがあります。
2.外に逃げるとき
ブレーカーのスイッチを「切る(off)」にして電気を切ってから、外に出てください。大きな地震では「停電」になって電気が止まることがあります。そのあと電気がまた流れたときに、ストーブなどが自動でついて、火事になることがあるからです。
3.外にいるとき
ビルの近くは、窓ガラスや看板などが落ちてくることがあります。かばんなどで頭を守りながら、安全な場所に逃げてください。ブロックの塀や自動販売機など倒れやすい物の近くも危険です。山や崖などは崩れて危険ですから、遠くに逃げてください。
4.車を運転しているとき
車をゆっくり道の左側に止めて、エンジンを切ります。車を道に置いて逃げる場合は、ドアに鍵をかけないで、車に鍵を付けたままにしておきましょう。救急車や警察などの車が通るときに、動かすことがあるからです。
5.家に帰るとき
大きな地震が起こると、電車やバスなどが止まることがあります。急いで家に帰ろうとしないで、会社や学校など安全な場所でしばらく待ってください。大勢の人が同じ時間に帰ろうとすると、道や駅などが混んで危険だからです。テレビやインターネットなどで調べて、安全だとわかってから帰りましょう。
6.家族や友達に連絡するとき
地震のあとは大勢の人が電話を使うため、家族や友達に連絡しにくくなります。電話番号171の「災害用伝言ダイヤル」を使うと、会話はできなくてもメッセージを録音したり、聞いたりすることができます。携帯電話会社の「災害用伝言板」などでもメッセージを送ることができますから、使い方を調べておきましょう。
7.家で生活ができないとき
建物が壊れたりして家で生活ができなくなった場合、市や町などが決めた「避難所」にしばらくいることができます。大勢の人と一緒に生活をしますから、健康に気をつけましょう。
狭い場所で長い時間体を動かさないと、「エコノミークラス症候群」という病気になることもあります。車の中で生活をする人は特に気をつけましょう。
引用元:NHKニュース
地震後の生活についても、考えておきましょう。
大きな地震が起きた後の数日間は、水や食料に加えて電気やガスなどの供給が途絶えることがあります。2〜3日は自分でしのげるように、日頃から生活必需品を用意して、いざという時のために備えておくようにしましょう。最近では、味だけではなく機能性も高い災害食・非常食もたくさんあるので、チェックしてみてもいいかもしれませんね!また、缶詰など日常使いできるものを災害食・非常食として備えておくというのもオススメですよ。
引用元:TOKYO GAS ウチコト
ライフラインが絶たれることもある自然災害。当面命をつなぐ水や食料、少しでも日常生活にあったものを用意しておくと言うことは、非常時の大きな支えになると考えます。
生活必需品(非日常用)セット
※食料及び飲料水は家族全員3日分が必要です。
・ 飲料水(1日3L)
・ 食料(赤ちゃんがいれば粉ミルクも)
・ 簡易トイレ
・ 緊急医薬品類(常備薬も忘れずに)
・ 予備電池(携帯電話、ラジオ、懐中電灯など)
・ 現金や貴重品・ 保険証や電話帳
・ 下着類、タオル、ティッシュ、予備メガネなど
消防庁や、都道府県、防災対策を推進する企業のホームページでは、自宅で防災対策を実施する際に参考になるチェックシートなどを配布しています。ぜひ活用してみてくださいね。
引用元:TOKYO GAS ウチコト
まとめ
・日本は世界有数の地震大国。その理由は4つのプレートの上に位置しているから。
・異常震域は震源地とは遠く離れたところで揺れが起こること。事象自体は珍しいものではない。
・南海トラフ巨大地震はプレートが動くことによって起こる。異常震域とは別要員。
・地震が起こったら自分や大切な人の命を守る行動を。
いつくるかわからない自然災害。できる対策はして、油断しないように過ごしていきましょう!