映画の内容を10分ほどに編集しあらすじを字幕やナレーションで説明する「ファスト映画」と呼ばれる動画を投稿していた男女3人が逮捕されました。
ファスト動画による逮捕者は全国初となり話題となっています。
ファスト動画とは一体どのようなものなのか?
また今回初の逮捕者が出たことにより他のファスト動画投稿者にも大きく影響が出ているようです。
早速調べていきたいと思います。
ファスト動画とは?
「ファストシネマ」「あらすじ動画」とも呼ばれるファスト動画。ファスト動画とは、法律上の権利を無視して諸権利を有しない者により権利者に無断で映画の映像や静止画を使用し、字幕やナレーションを付けてストーリーを明かす短めの動画のことを指します。
通常、映画配給会社は自社の扱う映画の予告編などをYouTubeなどの一般の動画サイトにアップロードして、宣伝などに広く活用しています。
その一方で権利者に無断で映画の映像や静止画を使用し、字幕やナレーションを付けるなどして映画自体を観なくても映画全体のストーリーがわかるように説明した短めの動画を頻繁にアップロードする人がおり、それらの動画はファスト映画と呼ばれています。
映画全編をアップロードしているわけではないものの「引用の範囲を超える、明らかな著作権侵害であり重大な犯罪」と指摘されており、また結末まで含めた映画の内容を全て紹介してしまうことで、映画本編を見ないことにつながる懸念もあります。
本来の権利者に悪影響を与える他、犯罪者の収益源になる可能性があるとしてCODAがアップローダーの特定などを進めています。
中には700万回近く再生される動画や、合計の再生数が8000万回を超えるYouTubeチャンネルもあるといい、同機構は安易な視聴は控えるよう注意喚起しています。
今回の逮捕詳細は?
映画を無断で10分程度に編集した「ファスト映画」をYouTubeに投稿したとして、宮城県警は23日、札幌市の男女3人らを著作権法違反容疑で逮捕しました。県警によると、ファスト映画の投稿による逮捕は全国初。容疑者らは2020年6月から7月にかけて、映画「アイアムアヒーロー」「冷たい熱帯魚」など5作を権利者の許可なく編集。ナレーションをつけるなどした10分程度の動画にしてYouTubeに投稿し、広告収入を得ていたといいます。容疑者は「やったことに間違いないが、一部の作品は思い出せない」と容疑を一部否認し、他の2人は認めているといいます。
県警は容疑者らがファスト映画を100本以上投稿したとみています。県警の捜査員が昨年7月、サイバーパトロールで動画を発見し、業界団体「コンテンツ海外流通促進機構」(東京)などと連携して容疑者を特定しました。同団体によると、今月14日までに、55のアカウントから同様の動画がユーチューブに投稿された。総計約4億7700万回再生され、被害額は約960億円と試算されているといいます。960億円とは驚く額ですね。映画本編を見に映画館へいく若者の現象は、多少なりともファスト動画を見るというSNSの進化も一つの原因になっているようです。
ファスト動画投稿者”ポップコーン”がやばい?
初の逮捕者が出たファスト動画投稿。そんな中、ファスト動画系ユーチューバーが動画投稿をやめたり過去の動画を削除したりと動きが見えてきました。
ファスト動画系ユーチューバーの中でも『ポップコーン』というチャンネルでは再生回数も多い動画が投稿されており人気チャンネルでした。
映画紹介のチャンネルの中では非常に有名で、映画好きの中では見たことある人も多いのではないでしょうか。
『ポップコーン』チャンネルは、多い時は一つの動画で50万回再生を超える再生数となり推定年収は2300万円と言われています。
ですが、映画業界団体の調べによると総額960億円の損害。これは1再生100円で換算されており、このポッポコーンチャンネルでの総再生数は約8300万再生となるのでポップコーンチャンネルだけでおよそ83億円の被害額となり年収だけではもちろんカバーしきれない額となってきます。
ポップコーンチャンネルは現在閲覧できない状況となっており、恐らく今回の逮捕者が出たことによる影響だと見られています。
著作権違反というのはなかなか罰もきついと言われており、懲役10年以下の実刑もあるとか。
軽率な気持ちでの投稿が人生を変えてしまう可能性も大いにあるので、投稿するからにはきっちりと調べてから投稿する必要がありますね。
まとめ
映画を無断で10分程度に編集した「ファスト映画」をYouTubeに投稿したとして、男女3人らを著作権法違反容疑で逮捕されました。
ファスト動画による逮捕者は初となり、他の動画投稿者にも大きな影響が出ている状況です。
その中でも人気動画投稿チャンネル『ポップコーン』の被害総額はおよそ83億円と言われており現在動画は見ることができない状況です。
今後活動ができなくなる可能性も十分にあり今後の動向に注目されます。著作権違反に関しては十二分に慎重になる必要があるようです。