大江戸温泉物語が9月5日閉館!理由は東京都との借地契約期限か豊洲「千客万来」万葉の湯?

お台場にある大江戸温泉物語が9月5日をもって営業を終了し、閉館することを発表しました。

2003年3月に開業以来、18年に渡り、年間100万人もの来場者に愛された大江戸温泉が閉館ということで悲しいですね。

閉館の理由はなんだったのでしょうか。

また、閉館を惜しむ声をまとめました!

お台場の大江戸温泉物語とは

お台場にある大江戸温泉物語は、大型風呂、屋外足湯、マッサージに加え、食事処、屋台風の遊戯スペースなど、館内すべて江戸時代の町並みをテーマに統一されている人気の温泉施設。

仮眠できる休憩所もある上、羽田空港、成田空港からもアクセス抜群。観光客や旅行客にも人気のスポットでした。

お台場にあることから、コミケやビジネスで国際展示場に出張・遠征する人からも憩いの場所として愛されています。

大江戸温泉閉館の理由はコロナではなく借地契約期限

緊急事態宣言以降、ずっと休業が続いていた大江戸温泉。

閉館のニュースにてっきり「コロナ禍による来場者減が原因か」と思いましたが、理由は違ったようです。

東京都との事業用定期借地権設定契約が2021年12月に期限を迎えるためだとか。

理由について公式ページは以下のように発表しています。

「創業の地である『東京お台場 大江戸温泉物語』の営業を継続するためのさまざまな方策を検討し、また模索してまいりました。しかしながら、契約締結当時の借地借家法では、契約の最長期間は20年で延長が認められておらず、誠に残念ながら再契約も叶わなかったため、建物を解体撤去し更地にしたうえで土地を返還する必要があることから、9月5日をもちまして、営業を終了させていただくこととなりました」

借地借家法は、建物の所有を目的とする地上権・土地賃貸借と、建物の賃貸借について定めた法律で

借地権とは、建物を建てるために地代を払って他人から土地を借りる権利のことです。

大江戸温泉は東京都から土地を借りて営業していたということですね。

そして残念ながら東京都と再契約ができなかったということです。

実はもっと前に閉館する予定だった?閉館の本当の理由

そんな大江戸温泉ですが、実はもっと前、築地市場が豊洲に移転する時から閉館の話は出ていました。

東京都の公募で2023 年、豊洲新市場に温浴観光施設「千客万来」がオープン予定で、「万葉の湯」を運営している「万葉倶楽部株式会社」が事業予定者となっています。

その際、すしチェーン「すしざんまい」を展開するつきじ喜代村も一時的に名乗りを上げていました。

しかし、その話は途中で頓挫し、つきじ喜代村は撤退。

喜代村の木村清社長は会見で撤退理由を聞かれると、都への不信感を露わにこう話したそうです。

「移転先に近いお台場の温泉施設『大江戸温泉物語』と東京都の定期借地権契約が事前相談もなく2021年末まで延長されていた。来年3月で契約が切れるというので、豊洲新市場に温泉施設を造ることを決めたのに」

喜代村は都の公募で事業者に選ばれ、場外市場や温泉施設などの建設を計画していたが、温泉施設の競合で採算を見込めなくなったために撤退したということでした。

これに対し、都は

「そもそも温泉施設の設置は要請していない。(大江戸温泉物語の)契約延長を伝える約束をしていたわけではない」(都中央卸売市場管理部)

と説明しました。

「お台場大江戸温泉物語」は築地に新しくできる温泉施設「千客万来」の競合に当たるということですね。

「お台場大江戸温泉物語」は定期借地権で東京都から格安で借地契約をし、契約更新を繰り返していました。

都としては実入りが悪いし、今後は「千客万来」を伸ばしたいということで、借地借家法に則り、契約終了したとも言えるかもしれません。

閉館を悲しむネットの声

大江戸温泉物語では色々なアニメ・漫画作品やアイドルグループとのコラボイベントなども実施しており、オタクの人たちにとっては聖地や思い出の地になっているようです。

千客万来施設は大江戸温泉物語の代わりになりうる?

お台場大江戸温泉物語は単なる健康ランドや温泉とは異なり、テーマパーク性と施設の充実度を兼ね揃えた希少な施設でした。

前述の豊洲市場に隣接した場所に2023年春オープン予定の「千客万来施設」は代わる施設となり得るでしょうか。

江戸の街並みを再現した商業施設と24時間営業の温泉&ホテル施設が誕生する予定とのことなので、少し先ですが、期待したいと思います。

お台場大江戸温泉物語の最終営業日は2021年9月5日とのことで、それまでに一度は訪れたいですね。