板野裕爾(いのたゆうじ)の経歴プロフィール!NHK専務理事復帰は政府への忖度?

NHKが、「政権寄り」とされる板野裕爾専務理事を退任させる方向で動いていたものを再任する案に差し替えていたことが判明しました。

経営委員会は賛成多数で再任案に同意しましたが、委員2人が反対しました。送付された人事案の撤回は極めて異例で、人事案に反対が出るのも異例ですが、「政権寄り」と言われる板野裕爾専務理事の再任に対してどのような意見が出ているのでしょうか。

また、板野裕爾専務理事の経歴についてもまとめていきたいと思います。

板野裕爾専務理事が異例の再任?

 NHKの前田晃伸会長(76)が4月、板野裕爾専務理事(67)を退任させる役員人事案を経営委員へいったん郵送させながら、同意を得る経営委員会の直前に撤回し、再任する案に差し替えていたことが毎日新聞の取材で判明しました。

経営委は賛成多数で再任案に同意しましたが、委員2人が反対しました。

送付された人事案の撤回は極めて異例で、人事案に反対が出るのも異例です。

当初は4月6日の経営委会合で板野氏の退任を含む理事らの役員人事が決められることになっており、前田会長は事務方を通じて4月2日に最初の人事案を各経営委員へ郵送させていました。

しかし、6日の直前になって各委員に「なかったことにしてほしい」と事務方から連絡があり、6日の会合では理由の説明なしに人事案の文書は回収されました。

前田会長は取材に対し板野氏の人事が差し替わった理由について「人事だからいろいろな候補があるのは普通のことだ」と述べた上で、板野氏を退任させる当初案について「私が経営委に案を提示したのは(板野氏再任を含む4月20日の)1回だけだ」と話しました。

また、首相官邸の関与については「他から言われてやるわけがない」と述べ、自分自身で決めた人事と強調しました。

NHKの4月の理事人事を巡る経過

 ※関係者への取材に基づく

4月2日 前田晃伸NHK会長が作成した板野裕爾専務理事の退任を含む当初人事案を、事務方が経営委員会の各委員へ郵送

 初旬  首相官邸が当初案に対し、板野氏退任を再任に変えるよう前田会長に強く要求?

 初旬  前田会長が当初案の撤回を決定。各経営委員に連絡が行く

 6日  経営委会合で当初案を回収。当初案が提案されなくなったため、経営委は人事の同意日程を延期

 中旬  前田会長が作成した最終人事案を、事務方が各経営委員へ郵送

 20日  経営委会合で前田会長が板野氏再任を含む最終人事案を提示。委員12人中2人が板野氏再任に反対したが、賛成多数で同意され、再任が決まる

異例の人事に対し世間の声は?

 この異例の再任に対し、

「政府に忖度した番組内容にしたいなら国営放送になればいい。」

「政権に忖度してるくせに国民から更に受信料を取ろうなど図々しいにもほどがある!」

「NHKが公共放送で受信料は国民の義務とした裁判所が間違っていた事が明らかになった、裁判官は反省してNHKに受信料を払ってない家庭はスクランブルにすれば済むようにすべきだから、早くやってくれ。」

「政権寄り、それだけでイメージが悪い。国民に寄り添うことを考えてほしい。」

「NHKは公共放送ではなくなっている。もはや政府への忖度放送局だ。」

「政権よりというよりも、政権の言うとおりにやっているNHKは、もはや受信料制度の目的が果たせず、政権によって壊されている現れだ。政治の力を使うと壊され
てしまうのが世の常。国民からみて無用な組織になることは容易なことだ。」

などといった声が上がっており、政権寄りの人事に対してはマイナスなイメージが多い印象です。

再任となる板野裕爾専務理事のプロフィールや経歴は?

 板野裕爾専務理事は1953年8月11日生まれで東京都出身。

1977年3月、早稲田大学商学部卒業し同年4月、NHKに入局。NHK岡山放送局放送部、NHK名古屋放送局報道部・報道局取材センター・報道局ニュースセンター(経済)への所属を経て、2004年6月には報道局取材センター(経済)統括担当部長に就任。

2006年6月NHK福島放送局長、2008年6月内部監査室長、2011年6月経営委員会事務局長を歴任しました。

2012年4月、NHK理事。2014年4月25日、NHK専務理事・放送総局長。2016年、NHKエンタープライズ社長。2019年NHK専務理事となりました。

まとめ

 「政権寄り」とされる板野裕爾専務理事を退任させる方向で動いていたものを再任する案に差し替えていたことが判明し様々な意見が出ています。

政権寄りという点から政府への忖度を感じざるを得ないイメージで今回の人事に対しては否定的な意見が多い印象です。

 そんな板野裕爾専務理事の経歴は早稲田大学商学部卒業してからNHKエンタープライズ社長まで各地のNHK局内で昇格を続けたようです。

再任後は本人からの言及などにまた注目を浴びることとなりそうですが、NHKのスクランブル化や受信料徴収についても否定的な意見が続きそうです。

受信料徴収を行う民間放送としては納得のいく人事に期待をしたいところですが残念な結果になってしまっています。

今後の動向に注目です。