大豆ミートは体に悪い?ヘルシーなイメージに潜むデメリットとは?

1.大豆ミートとは

5月22日のがっちりマンデーで「大豆ミート」について紹介されました。
熊本のDAIZ社の「ミラクルミート」と呼ばれる大豆で作られたお肉が紹介されています。
5月12日には同じ熊本出身のママタレントでもあるスザンヌさんをアンバサダーに起用したことを発表し、話題になりました。ママタレント起用は「普段使いの食材」としてのイメージアップに大きく貢献しそうですよね。
日経トレンディ2021年11月号でも「スタートアップ大賞2021」で優秀賞に輝くなど、今注目の会社です。
現在大豆ミートやその加工品(ハンバーグなど)はいろいろなメーカーから発売されています。大豆ミートの人気がうかがえますね。

2.大豆ミートってどんなお肉?

大豆ミートはうまみも味も本物のお肉そっくりに作りながらも、牛肉や豚肉などに比べてたんぱく質が豊富でありながら、脂質が少ないという特徴を持っています。
最近はたんぱく質をとることがブームで、たんぱく質がたくさん入っていることをうたった食品もいろいろ発売されていますよね。
また、動物性ではないことから、ヴィーガンやベジタリアン志向の人でも食べられることも特徴です。最近の健康志向の高まりや宗教上の理由などから、ヴィーガンやベジタリアンの方は増えています。
あるいは、お肉を生産する際には大量の水や飼料が必要であり、肉食をよく思わない人もいます。世界的にそのような風潮が少しずつ高まる中で、植物として育ちながらもこれまでの家畜の肉にそっくりな食感に近づけていることもあり、最近人気に拍車がかかっています。
日本でも様々なメーカーがしのぎを削ってきました。
市場規模も年々拡大してきています。日本能率協会総合研究所の2021年の調査によれば、2025年度の大豆ミートの国内市場はおよそ40億円になると推定されています。2020年度が約20億円ですから、5年で2倍に増えることになります。

3.大豆ミートのデメリット

そんな大豆ミートですが、メリットばかりではありません。デメリットも実はあります。

・消化に悪い

大豆には食物繊維が多く含まれています。特に不溶性食物繊維を多く含んでおり、これにより、すっきりした毎日を送るのに役立つ働きがあります。
しかし、日本ではもともと豆腐や味噌、納豆といった大豆食品をとってきました。
食物繊維をとりすぎるとかえって消化に負担がかかります。
つまり、大豆ミートが健康面でプラスに作用されるかどうかは、そのほかの食事との組み合わせによる部分が大きいのです。特にサプリメントなどを普段から飲んでいる方や豆乳や豆腐などの大豆製品をいろいろとっている方は、少し気を付けた方がいいかもしれません。

・添加物が多い

大豆ミート、特に大豆ミートから作られた加工品には添加物がいろいろ入っています。
例えば、加工大豆タンパクやカラメル色素、キサンタンガム、スクラロース、デキストリン・pH調整剤といったものが入っています。
また加工品の中には保存料を含むものもあります。日持ちをさせるためにはどうしても必要ということですね。
せっかく大豆ミートだからヘルシー、と思っても、こういったものでヘルシーさが損なわれてしまうのでは、元も子もありません。ヘルシーさを求めるのであれば、できるだけ食材に近い形のものを買った方がよさそうですね。

・遺伝子組み換え大豆が入っていることがある

大豆と言えば「遺伝子組み換え問題」とは切っても切り離せません。大豆ミートやその加工品の中には、「遺伝子組み換え大豆」が混入していることがあります。
中にはミラクルミートのように「遺伝子組み換え大豆は使っていません」とはっきり書かれているものもありますが、一方でひっそりと遺伝子組み換え大豆が混入しているものもあります。
遺伝子組み換えを行うことで害虫や除草剤などに強くなるため、収穫高のことを考えると使いたくなる生産者もいるのでしょう。
遺伝子組み換え大豆が安全か安全でないかは今なお議論が残りますが、心配な方は表示をきちんと見た方がいいかもしれません。

4.まとめ

大豆ミート単体は健康にプラスの作用をもたらすことが多いですが、加工したり、過剰にとったり、ほかのものとの組み合わせによってはかえってマイナスになる可能性もある、というお話でした。
これまでの点からわかることは
・いろいろなものをまんべんなくとる工夫は大豆ミートが出てきてからも変わらない
・加工品は適度に適切に使う。加工品でなく食材で使えるときには食材を使う。
・原材料表示をきちんと見る
ということが大事になってきます。
普段から肉食が多い人が少しおきかえる程度だったり、食事のアクセントとしてたまに用いる程度であれば、プラスの効果もありそうです。

ともあれ、大豆ミートの登場は、食に対する技術の進歩のおかげです。これからもさまざまな食材にふれ、これらと上手に付き合っていきたいですね。