三国志で有名な諸葛亮孔明。
アニメ「パリピ孔明」では、中国国内が、三国に分かれて争っていたいわゆる三国時代の頃におきた魏と蜀の争いであった五丈原の戦い、その戦いの最中に孔明は病死しました。その死の間際、孔明は争いのない時代に生まれ変わりたいと望み、その結果、現代の渋谷に転生したという設定になっています。転生した際に駆け出しのシンガーソングライター・月見英子と出会い、彼女の才能に惚れ込んだ孔明は、彼女の軍師（マネージャー）となり、その夢を叶えるために活躍するというコメディ漫画、それが「パリピ孔明」です。
中国の三国時代を生きた偉大な軍師をアニメ化したことで、中国はどのような反応をしているのか、また、ヒロイン月見英子の声優は？96猫とは何かについて調査しました。
「パリピ孔明」は中国では放送されているのか？
現在中国では規制が厳しく、パリピ孔明のアニメ放送は配信されていないようですが、中国版YouTubeにあたる、bilibiliという動画サイトを通じて見ることができるようです。中国では「派对浪客诸葛孔明」というタイトルのようです。
中国での評価は？
賛否両論あるようですが、アニメ自体はかなり高評価のようです。
中国人にとって、孔明はたいへん忠誠心の高い人物というイメージらしく、オープニングで孔明が踊ったり、ラップに挑戦していることに驚いているようですが、パリピ孔明の孔明に関しては、おおむね寛容なようです。とくにオープニン曲の「チキチキバンバン」が人気で、ノンクレジットのオープニング動画の再生回数は600万回を超えています。
中国で炎上の噂は？
「パリピ孔明」は中国で一時炎上がおこり騒ぎになりました。炎上のきっかけになったのは2022年5月1日に放送された第三話の中でうつったトラックのナンバープレートが「47291」となっていたことでした。この数字は「支那憎い」と読めることから、中国でもネットニュースやテレビ放送で取り上げられるなど、一時炎上していたようです。アニメでは実在するナンバーと同じにならないように、実在しない5桁のナンバーにすることがよくあるようです。このシーン、実は原作ではトラックが描かれていないコマなので、アニメの担当者の誰かが描いたことになります。
また、2021年に自動車会社「日野」のトラックが中国国内でリコールされる事案がありました。その台数は47291台あったとのこと。制作者はその風刺をこめたのではないかともいわれています。しかし、今のところ公式からは特にコメントもなく、どんな意図があったのか偶然なのかわかりません。
中国での反応
中国のアニメファンの書き込みをみつけました。
「これがフィクションである事は分かってる。
だけど諸葛孔明が激動の人生を送った後で、
あんな楽しい人生を送れてるなんて素敵じゃないか。」
「なぜ諸葛孔明が日本語を話してるのかとか、
どうして三国志の作品を中国じゃなくて日本が作るのかとか、
そういう疑問を抱いてる人もいるかもしれないけど、
結局は僕らには作れないんだから仕方ないんだよ。」
好意的なコメントのようですね。
月見英子の声優は？96猫とは？
「パリピ孔明」で、ヒロイン月見英子は歌手志望。このため、声は演技を担当する声優さんと、歌唱を担当した歌手の２人１役になっています。
演技を担当する声優は？
本渡楓（ほんど かえで）さん、愛知県名古屋市出身、1996年3月6日生まれ。アイムエンタープライズ所属。人気作品のキャラクターを多く演じている若手の有望株です。「パリピ孔明」では、声のトーンが高くなりすぎないようにしたり、主人公っぽさをなくしたりなど、歌手が担当した歌唱パートへのつながりを意識しつつ、悩みながら演じたと話しています。
96猫（くろねこ）とは？
月見英子の歌唱を担当した歌手です。
ニコニコ動画の「歌ってみた」を中心に活躍する歌手。 YouTubeと合わせた投稿動画の再生回数は3億を超え、七色ボイスとして多様な声色をもつ歌い手界のカリスマです。歌に対してまっすぐに向かう英子のイメージにぴったりですね。事務所はソニー･ミュージックレコーズ（2016年から 2018年） エイベックス・ピクチャーズ（2020年から）
アニメの事務所のお話とシンクロしてしまいますね。
まとめ
三国志で有名な諸葛亮孔明。日本でいうと聖徳太子や徳川家康などにあたるのでしょうか。偉大な軍師を渋谷に転生させてしまうというギャグ・パロディアニメに、中国のネット民の反応が気になりましたが、眉をしかめるどころか、まるでパリピのようにノリノリで楽しんでいるようすなのがわかりました。
アニメでは天才軍師の孔明が、現代の音楽業界で数々の「策」を講じていきますし、策は「三国志」の逸話とリンクしているので、歴史ファンにも人気のようです。孔明のキャラや設定も面白いですが、月見英子が歌手を目指して成長していくストーリーにも目が離せません。もともとはアニメに期待していなかったのに観てみたらハマってしまったという人が続出し、評価が上がっているのかもしれません。今後のアニメの展開が楽しみですね。