ハイアット リージェンシー 東京(新宿)の買収を検討しているKKRってなに?小田急の戦略は?

小田急電鉄株式会社が売却手続きを進めている東京都新宿区にあるホテル、「ハイアットリージェンシー東京」について、KKRが買収する方向で調整していることが報じられました。ここでは、KKRとは何か。そしてKKRに関係する日本人、そして小田急の戦略について調査しました。

KKRってなに?

KKRはアメリカの投資ファンドです

KKRの正式名称はKohlberg Kravis Roberts & Co. L.P. / KKR & Co. Inc. 、(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)でアメリカ合衆国、ニューヨークを拠点とする世界最大のプライベート・エクイティ・ファンド運営会社です。

設立は1976年

ジェローム・コールバーグ・ジュニア、ヘンリー・クラビス、ジョージ・ロバーツというベアー・スターンズの出身者によって設立されました。
ベアー・スターンズ社というのは、米国の大手投資銀行でかつてはアメリカ5大証券の一角でした。2008年5月30日にJPモルガン・チェースに救済買収されています。

会社概要(拠点、従業員数)

本社はニューヨーク、オフィスはサンフランシスコ、ロンドン、パリ、香港、東京、北京、ドバイなど26ヶ所。450名の投資の専門家を含めて従業員数1400名。

買収された会社の例(米国)

セイフウェイ 1986年、米国大手スーパーマーケット・チェーンを55億ドルで買収。
RJRナビスコ 1989年、米国食品・タバコメーカーのRJRナビスコを250億ドルで買収。

日本では他にどんな例がある?

西友 2020年11月16日、ウォルマートが2008年に完全子会社化した西友株の65%をKKRが取得し、20%を楽天が新規設立する子会社が取得、残る15%をウォルマートが保有を続けると報道されています。
日立物流 2022年4月21日、日立製作所より日立物流の株式を購入する交渉に入ったことが報道されています。

KKRの日本人関係者は誰?どんな経歴?

蓑田秀策 – KKR日本法人元会長

東京都出身。1974年一橋大学経済学部卒業、日本興業銀行入行。
2007年、みずほコーポレート銀行を退社し、KKRに入社。KKRジャパンの共同最高経営責任者に就任、2009年からはKKRが買収した日本トイザらスの取締役を兼務。2013年4月、KKRジャパン代表取締役社長を退任し会長に就任。2014年12月、同社退職。

平野博文 – KKR日本法人社長

慶應義塾大学卒、シカゴ大学ブース・ビジネススクールにてMBA取得。
日興コーディアル取締役、社外取締役(西武ホールディングス、ベルシステム24、タワーレコードジャパンなど)
1999年から2006年まで日興プリンシパル・インベストメンツ会長
米系ターンアラウンド・コンサルティング会社のアリックスパートナーズアジアLLCで日本代表、日本航空や海外M&A案件のPMIに従事。
2013年4月にKKR入社。アジアプライベートエクイティ共同代表、KKRジャパン代表取締役社長。

ハイアット リージェンシー 東京(新宿)の状況

7施設は2021年3月31日にすでにクローズ

閉店・閉鎖された7施設の名称
・日本料理「佳香」・鉄板焼グリル・鮨「みやこ」・ブラッスリー「Vicky’s」・ラウンジ・ペストリーショップ・プール

希望退職も実施

ハイアットリージェンシー 東京を運営する、ホテル小田急で希望退職が実施されてきた

小田急の戦略

超高層ビル(新宿駅西口地区開発計画)

小田急電鉄は東京地下鉄株式会社、東急不動産株式会社と共に、小田急百貨店新宿店本館のあるエリアに地上 48 階、地下 5 階建て、高さ約 260 メートルの複合超高層ビルを建設する計画で10月にも着工予定。

資金需要の拡大

ハイアットリージェンシー 東京と隣接するオフィスビルの2棟合わせた売却額は1400億円規模とみられており、再開発に伴う資需要が売却の背景にあると考えられる。

まとめ

ハイアットリージェンシー東京は昭和 55 年に「ホテルセンチュリーハイアット」として開業し、日本初のハイアットホテルであることからも注目され人気を集めたホテルです。2001年3月30日からセンチュリーハイアット東京に、2007年10月1日からハイアット リージェンシー 東京にリブランドしました。
近年は新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛などの影響を受け、稼働率が低下していたようです。今回、年間売り上げ2180億ドルと言われる巨大プライベート・エクイティ・ファンドKKRが買収する方向で調整していると報道されましたので、KKRとは何か。そして関係する日本人、そして小田急の戦略について調査しました。
日本の銀行と証券会社に在籍したことのある超エリート金融ビジネスマンが次々に代表を務めるKKR。一連の買収が日本にとって良いことなのか、これからも調査したいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。